奈良の寺は見た目素朴だが歴史の奥深さと人間の営みに気づかせてくれる~女性が活躍した法華寺
奈良の寺は、京都と比べ見た目が素朴ですが、奈良時代という人間臭い歴史の奥深さと、人間の政治・行政・経済の営みに気づかせてくれるという点において、後世に語り継ぐべき遺産であると思います。9月20日夕方、奈良・法華寺に参拝しました。法華寺(法華滅罪の寺)は、「法華寺門跡」といい、光明皇后ゆかりの門跡尼寺(皇族・貴族の子女などが住職となる格式の高い寺院)として知られています。奈良の人もあまりご存じないかも...
View Article2014年を振り返って~MICE/IR・世界遺産・学会論文・ベトナムそして新しい方々との出会い
2014年も今日・明日を残すのみとなりました。今年を振り返ると、世界経済がアメリカ経済が順調に景気拡大に向かいつつある一方、EU・中国が景気減速・デフレ傾向が顕著となる中で、日本の景気が消費税増税後鈍化し更なる金融緩和により円安が急速に進行するという、環境が激変する年でした。長崎では長崎市のMICE(コンベンションなど)、長崎県・佐世保市のIR(統合型リゾート)、二つの世界遺産(産業革命遺産・長崎の...
View Article母の日に奈良に帰郷しました~84歳の母の人生について聞きました
5月9日・10日、母の日に、両親が住む奈良市に帰郷しました。父が自宅のすぐ近くの施設に入っているので、84歳の母と見舞いに行き、後は、家でゆっくり母の人生や今後の希望などを聞きました。母は、私と妹の教育のため、34歳で三重県庁を辞めて奈良県庁に転職し、57歳で奈良県庁を退職した後、心身の健康管理の専門家として奈良県人事課で67歳まで10年間務め、68歳から74歳まで同様に専門家として奈良市役所に務め...
View Article歴史の街・長崎で論文執筆の傍ら南山手を散歩~旧居留地で時を過ごす幸せ
シルバーウイークと言われているここ数日は、食事と昼寝の時間を除き、早朝から夜まで、基本的に論文執筆にいそしんでいます。題名は「地域振興における効果的な人口・観光・物産振興政策のあり方」(仮称)で、いずれは書籍として出版しようと取組んで来ている作品ですが、そろそろ完成させるべき時間が近づいています。ただ私は気分が乗る(考えがまとまる)までなかなか着手できない性格らしくて、しかも若い時と異なり、食事やイ...
View Article父の死に直面して~笠置の川で一緒に泳いだ思い出
11月11日、長崎総合科学大学で行われた「ながさき次世代ロボット研究会」でのセミナーが終わり、交流パーテイーをしていた最中、妹から携帯に電話があり、奈良の病院に入院していた父が19時20分に亡くなったことが分かりました。翌朝一番の特急かもめと新幹線を乗り継いで、奈良の自宅に戻ると、奥の間の座敷に父が金色の掛け布団に覆われ横たわっていました。10月23日に東京から父に会いに行ったのが、最後でした。私は...
View Article父の遺品を整理していたら写真やメモ帳が出てきました~しばしタイムトリップ
11月15日に父の葬儀が終わり、母と遺品整理をしていたら、父の書斎兼アトリエの引き出しから家族の50年前の写真や父の若いころのメモ帳が出てきました。O型なのに几帳面な性格だったようです。葬儀の会食で、日ごろなかなかお会いしない伊賀市の親戚ともゆっくり話す機会を得て、亡き祖母やその三代前くらいの話を聞くことができました。ちょっとした「ファミリーヒストリー」でした。明治・大正・昭和を生きた先祖は、田舎の...
View Article世界遺産・奈良春日大社にお参りしました~子供のころ見た原生林の風景が残っている
12月13日、午前9時から奈良マラソンが開催される中で、父の法事をとり行い、終わった後、世界遺産・春日大社にお参りに行きました。私は、人生の節目や決断を下す際には、東京の日枝神社、長崎の諏訪神社、壱岐の月讀神社など、なじみの深い神社にお参りして、神様と対話することにしています。13日はマラソン開催日であるし、今年は日中14℃と暖かいとはいえ、朝の春日山原生林は寒いので、お参りする人も少ないだろうと思...
View Article2015年を振り返って~2016年は「申(さる)騒ぐ」年
12月28日は今年の仕事納め。2015年は、県内各市町の総合戦略・総合計画が策定され、大村市・五島市・長崎市等で審議会・委員会の会長・副会長をさせていただいた、充実した年でした。また、長崎総合科学大学特任教授を務めさせていただき(2016年3月末まで)、次世代を担う人材教育の尊さを感じました。11月11日には奈良在住の父が他界し、悲しくもあわただしい年末になりました。日本経済は、12月7日、NBCラ...
View Article奈良・春日大社と国立博物館に行きました~奈良に育っても知らないことが多く奥が深い春日大社
1月10日、大阪での仕事を終えて、奈良の世界遺産・春日大社と国立博物館に行きました。私は、東京・奈良・九州の国立博物館を観覧できる年間パスポート会員になっています。この時期奈良は、2月の「お水取り」(二月堂)に向けて、盆地特有の底冷えがします。奈良国立博物館では特別陳列「おん祭りと春日信仰の美術・特集:お旅所」が最終日を迎えようとしていました。昨年11月の父の葬儀以降、しばらくは毎週のように奈良に帰...
View Article学会掲載予定論文原稿を送りました~「地方への高齢者移住とホスピタリテイ」
2月10日、日本ホスピタリテイマネジメント学会に、査読修正後の学会掲載予定論文原稿「地方への高齢者移住とホスピタリテイ」(The Emigration of Elderly People to Local Area and Hospitality in...
View Article仏像との対話~奈良国立博物館の国宝の素朴だが豪華な魅力
6月12日、大阪での仕事の合間を縫って奈良国立博物館を半年ぶりに訪ねました。同博物館は奈良公園の中にあり、周辺は鹿の数よりもはるかに多い外国人観光客が一杯でした。4月末にリニューアルオープンした「なら仏像館」の仏像は圧巻で、開館直後に行くと、照明を落とした館内は、一体一体の仏像が、語り掛けてきて、国宝と対話しているような錯覚に陥ります。東京や京都の国立博物館のように観覧者が並ぶということもなく、まる...
View Article父の初盆・三重県伊賀市での送り火法要に行きました~「エンジンの重い響きや積乱雲」
8月15日午後、昨年11月に亡くなった父の初盆を迎え、母と、三重県伊賀市にある西念寺(天台宗)の送り火法要に行きました。15時ころ寺に着いて、墓掃除の後、本堂に座って茅の巨木(県指定)のある境内を見ながら夕涼みをしながら父の思い出に浸っていると、初盆を迎えた檀家100人くらいが集まり、17時ころから法要が始まりました。夕涼みのゆったりした時間は久しぶりで、俳句を作っていました。ここは、盆地である奈良...
View Article天平倶楽部での食事~正岡子規の庭のある景色
9月11日、仕事の合間を縫って、奈良の「天平倶楽部」で懐石を味わいました。この倶楽部は、東大寺の転害門(てがいもん)にほど近いところにあり、正岡子規や志賀直哉ほかの文豪が宿泊した屈指の老舗旅館「對山楼(たいざんろう)」を改築したものですが、ここに「子規の庭」という、子規が好んだ柿の古木を中心とする日本庭園が造られています。東大寺大仏殿と若草山を借景とする、何とも贅沢な庭です。池には大きな鯉が泳いでい...
View Article目覚ましクラシックスin長崎を聞きました~クラシックベースの歌は素晴らしい
12月3日午後3時、ブリックホールで行われたKTNテレビ長崎主催の「目覚ましクラシックスin長崎」に行きました。元々、大分県日田市・福岡県浮羽市などに行く予定でしたが延期となり、代わりに早朝から7日の講演資料を作成し、9時半に温泉に行き、昼寝してからコンサートに行ったのです。第一部は「恋から生まれた名曲たち」と題して、ドビュッシー、ラフマニノフ、チャイコフスキー、プッチーニなどの名曲が演奏されました...
View Article2016年を振り返って~今年も一年健康に過ごせたこと、新しい方々との出会いに感謝
私は、年末になると、今年も一年健康に過ごせたこと、新しい方々に出会えたことに感謝しています。そして、「世の中の役に立ったのだろうか」と静かに振り返るのです。今年も、世界を見ると、Brexit(イギリスのEUからの離脱)、アメリカ大統領にトランプ氏選出など、比較的大きな変動がありました。長崎・東京・奈良の3つの街でそれぞれの自分の使命(mission)を全うしたいと日ごろから思っています。今年は、2月...
View Article母といただくおせち料理~母の「生きざま」を感じるひと時
一昨年父が亡くなってから奈良で一人で住んでいる母と正月を過ごすため、12月30日-1月1日午前は東京で、1月1日午後-2日は奈良の実家に行きました。昔は母が祖母とおせち料理を作っていたのですが、今は、奈良生協から持って来てもらい、部屋を暖かくして待ってくれていました(奈良の冬は底冷えするので心配です)。2日朝の雑煮は子供の時から慣れ親しんだ野菜とキノコが一杯入った「母流」の雑煮でした(画像)。母は若...
View Article俳句の難しさ・散文との違い~「降る雪や猫より軽き氏素性」
2月22日は猫の日です。大分県中津市の私の俳句の大先生から送られてきた猫の句をめぐり、大先生と昨日からやり取りがありました。「降る雪や猫より軽き氏素性」通常、俳句は解説をつけないものだそうですが、私の疑問は、「猫より氏素性が軽い」ということを言いたいことはわかりますが、「何故ここで雪と猫の組み合わせなのか」「白猫だから雪と同化しているのか」「何故ここで犬でなくて猫が登場するのか」(ソフトバンクのCM...
View Article飛行機で読んだ1冊⑦~「美しき日本の残像」・わが心の「残香の茶会」
2月23日の東京都市場問題PTの第6回会議に出席するために長崎から羽田に移動する飛行機の中で原稿を書く合間に読んだのが、アレックス・カー「美しき日本の残像」でした。日ごろ、論理的な学術論文や、実務的な本を読んでいると、ふと、みずみずしい日本語や日本の風景に接したくなります。私が長崎・奈良・東京を愛して3地点で活動する理由は、ここにあります。アレックス・カー氏とは、小値賀島・平戸で何度かお会いして、日...
View Article観光地に住むということ~長崎の中華街から世界を展望する
3月18日、昼食時に長崎の魚・野菜を提供する地産地消レストランで食事をしていたら、外国人の団体が入ってきて、すぐに満員になってしまいました。15年前はローカルな観光地であった長崎に住んで、東京と生育地・奈良を行き来する私にとって、ここ2年位で長崎も奈良も居住環境が大きく変化したと感じます。それは、街中に外国人(欧米人もアジア人も)が増えて、地域住民の行くお店に観光客が来るようになっていることです。レ...
View Article生まれた村で聞く音楽の調べ~「西念寺の雅楽聴き入る梅雨の晴」「夏空や茅の樹昇る読経かな」
最近、私の郷里である三重県伊賀市島ヶ原の西念寺(天台宗)の永代法要に出席したことがあり、本堂には150人ほどの出席者が整然と座っています。その際に、雅楽「越天楽」の演奏が、徳島(阿波)のお寺の僧侶により行われました。雅楽は春日大社で行われた甥の結婚式の時以来で、普段余り聞くことがありません。笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)などの楽器の解説の後、楽譜の説明があり、演奏が始まりました。...
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